随分日にちが空いてしまいました。
忙しくて更新できずにいました。

つづきです。


気まずい空気の中、私は彼を呼び出し話をしてきた。
落ち着いたイタリアンのお店に入って話を切り出す。

「ごめんね。疲れているところを呼び出して。やっぱり時間を置いても解決することじゃないかなと思って話をしにきたんだ。」

注文した料理に手をつけずに私は自分の不満と不安を彼にぶつけた。
ゆっくり料理を口にしながら話を聞く彼。
そして彼からの謝罪と日ごろの私への少しの批判。
口火を切ってからというもの、ここぞとばかりに言い争いになってしまった。

やっぱりプライドの高い彼。
なかなか分かって貰えない涙の私。

こういうとき多少彼は威圧的な話し方をする。それを今まで私は気にいらないところではあった。しかし私は精神的に弱い方ではないので、少しぐらい語気の強い態度を取られても怯まない。
その不満を一気に吐き出す。

すっかり冷え切ったパスタ。
私たちは??

久々の長い喧嘩は1時間を越えた話し合いの中でようやく話がついた。
私に待たされすぎて冷え切ったパスタは、それでも美味しかった。
私は笑顔を見せるきっかけを探すのに必死で、プレゼントを渡すタイミングを失っていた。

お店を出てもいつものように手を繋げない。
お互いに、いろんなことを言い過ぎたということから相手の様子を伺っていた。
まだ、ちょっと気まずい。

私が見にきたものはなんだろう?
ふと思い出した。

「ねぇ、お腹一杯じゃなければケーキ食べない?」
「うん、いいよ」

カフェに入ると、可愛らしいケーキがガラスのショーケースを彩っていた。
「どれにしよっか?好きなのいくつでも選んでいいよ。お祝いするからさ。」
甘いものの魔法。さっきまでの苦味が抜けて不思議と優しい気持ちになる。
男性なのに甘党の彼も甘い笑顔に変わってきた。

さんざん迷って決めたケーキとドリンクを目の前に私は言った。

「お誕生日おめでとう。遅れてごめんね。そして私の話を最後まで聞いてくれてありがとね。お陰でいろんなことが吹っ切れたよ。」

そう言ってプレゼントを渡した。
どきどきしながら彼が包みを開ける。

「わぁ、かっこいい時計だね。ありがとう」

その表情に私はまた涙ぐんだ。
これが、欲しかった。見たかった。
良かった・・・。
私の肩を抱いてくれた彼の手の暖かさが嬉しかった。


彼へのメッセージカード。

「これからも素敵な時間と出会えますように」

そのきっかけを私が作れますように。
 




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